青森県は、下北地域で漁師を目指す人のために「しもきた漁師スタートブック」を作製した。漁師になるためのステップや経営モデルなどを取り上げ、生業(なりわい)とするための具体的なイメージをつかめる一冊となっている。
2018漁業センサスによると、むつ水産事務所が管轄するむつ、大間、横浜、東通、風間浦、佐井、六ケ所の7市町村の漁業就業者数は3162人。30年前に比べて半減し、高齢化も進んでいる。
一方、これまで県に対して「どうすれば漁師になれるのか」という問い合わせがあったが、口頭でイメージを伝えることが難しい状況があった。
スタートブック作製は、県下北地域県民局地域農林水産部むつ水産事務所が2018、19年度の2カ年にわたって実施した「下北地域漁業新規就業者経営モデル構築事業」の一環。A4版33ページで、簡易版パンフレットもあり、それぞれ千部作製した。
スタートブックでは小型定置、底建網、採介藻、さし網など各漁法の特徴に加え、1日の操業スケジュール、年間の操業時期と漁獲できる種類を掲載。経営モデルは佐井村を事例に、これらの漁を組み合わせた場合、どれくらいの年収が得られるかを紹介している。
このほか、地域ぐるみで漁業参入をサポートする同村の「漁師縁組事業」で、17、18年に県外から就業した20~40代の“先輩”4人の声なども伝えている。
下北地域の各漁協や市町村、青森県立八戸水産高などで配布。県の担当者は、「県内外で行われる漁業就業支援フェアでも配布し、新規就業者増加に向けて活用したい」としている。
スタートブックは、むつ水産事務所のホームページ=https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenmin/mu-suisan/ryoushisyuugyou.html=でも閲覧できる。
デーリー東北新聞社
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