2018年3月に青森県風間浦村沖の津軽海峡で見つかった約1万6000年前のセイウチの化石の展示が4日、青森市の県立郷土館で始まった。発見されたのは牙の化石で、セイウチの化石はこれまでに国内で16例報告されているが、本州北部や津軽海峡で発見されたものは初めてという。29日まで。
この化石は風間浦村の漁師の男性が、漁の最中に網に引っかかっているのを発見。同館がゾウ類化石の専門家で滋賀県立琵琶湖博物館館長の高橋啓一氏の協力を得て調査した結果、セイウチの犬歯の化石であることがわかった。詳細な年代測定などを経て、2月に学会誌に掲載された。
会場では実物の化石を解説パネルとともに紹介。研究成果が掲載された化石研究会の学会誌も併せて展示している。
郷土館の島口天学芸員は「保存処理に苦労したがようやく展示できた。県内では初の発見なのでできるだけ多くの人に来ていただき興味を持ってほしい」と話した。
化石を見に訪れた同市の山本正教さん（77）は「母の実家が風間浦なので関心があった。こんな貴重なものが出てくるとは驚いた」と話した。
セイウチの化石の展示は同館入り口のエントランスホールで行われている。この展示のみを観覧する場合は無料。問い合わせは同館（017・777・1585）。【江沢雄志】
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March 05, 2020 at 06:51AM
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