UXの夕方の情報番組「スーパーJ にいがた」のお天気コーナー「お天気みとこ」を担当しているのが気象予報士の田中美都(みと)さん。4月から2年目に入った。県内各地の特徴を探りながら、分かりやすく伝える予報が好評を得ている。埼玉県出身で、新潟は初めて住む故郷以外の地。自分の目線で新潟を知り、情報を提供している。
新潟生活にはすっかり慣れた。「思っていたより天気がいいですね」「5、6月の新潟は全国で一番気候がいいと思います」。新潟の魅力を語る時も、お天気ネタになる。
2年目に入った「お天気みとこ」が好評だ。分かりやすい言葉遣いで説明し、ポイントを自作のイラストで表現。「絵心はないんですけど伝わりやすいと思って」。本番30分前に一気に描き上げる。プライベートで出掛けた県内の土地や、目についた日常の風景などを自分で撮影して小道具にすることも。
夕方のメイン番組で予報を担う重責を感じるようになった。「当たるだけでなく、安心してもらったり、ちょっとお得感があれば」。本番までは時間を惜しむようにスタジオ内を歩きながら予報内容を復唱。「今でも緊張するんです」。そんな硬さも出番と同時にソフトな笑顔に変わる。
「仕事以外の時も天気のことが頭にあります」。言葉にしたからには正確な情報を出したい、という思いが強い。「過去の事例からこの天気の時はどんな災害が起こりやすい、生活にこういう影響が出るかもしれない。そこまで落とし込めるように」。各地域の天候の特徴だけでなく、産業なども調べる。細かな作業も苦にはならない。「好きですね、この仕事」。天気について自然体でいられる自分に気が付いた。
幼いころから自然が好きだった。空や雲の流れをよく見ていた。学習院大ではスキー部に所属しクロスカントリーで4年連続インカレに出場。経験のなかったスキーを始めたのは「雪と接したかったから」。大学卒業後、食品会社に勤務。充実していた中、ふと思った。「最近、空を見ていない。下ばかり見ているかも」。天候によって商品の売れ筋が変わることにも興味があった。退職して1年間勉強にあて、気象予報士の資格を取得した。
趣味は旅行とマンホールカードの収集。「マンホールカードにはその土地の名物などの情報が書かれています。せっかく住んでいるのだからたくさん知りたい。予報にも役立ちます」。旺盛な好奇心が本業にも生きる。「農家の方や漁師さんに負けないように、新潟の天気が分かるようになりたい」。地域に根差した予報が無意識にできるようになるため、もっと新潟を好きになる。【斎藤慎一郎】
◆田中美都(たなか・みと)10月14日生まれ、埼玉県出身。浦和第一女高から学習院大へ進学。卒業後、食品会社に勤務。18年3月に気象予報士の資格を取得し、19年からUXの気象予報士。プロ野球好きで日本ハム栗山英樹監督のファン。155センチ。血液型AB。
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