漁業の現場に人工知能(AI)を導入し、長年受け継がれてきた漁師の勘や経験を伝承する試みが進んでいる。過去の操業日誌や気象、海流のデータを分析し、魚が多く集まる漁場を予想したり、効率がいい養殖方法を提案したりする。後継者不足が深刻な漁業を変革し、次世代への技術継承と収益拡大を目指す。
実証実験で評価
「今日はここで魚が取れるとAIが教えてくれています」-。宮崎県延岡市の水産会社タカスイの専務高須泰蔵さん(52)がタブレット端末を手に説明する。高須さんは九州南西部の沖合を中心にサバやイワシを狙う巻き網漁船団の漁労長だ。
2019年から漁場選定にAIを活用する実証実験に取り組む。高須さんは「まだまだ精度を上げていく必要はあるが、悪くない選択をしている」と評価した。
長崎県佐世保市のIT企業オーシャンソリューションテクノロジーがシステムを開発した。過去の操業日誌からいつ、どこで、どんな魚がどれくらい取れたか、なぜその漁場を選んだかというベテラン漁師の経験のほか、天候や海水温などの情報をデータ化。漁当日の海洋気象情報を入力すると、燃料費も考慮して魚が取れる可能性が高い海域をアドバイスしてくれる。
漁場選びは漁を指揮する漁労長の重要な仕事だ。漁がうまくいくかどうかはその力量に大きく左右される。高須さんは「経験の浅い漁労長が魚を取れるようになるまで数年かかる。AIがサポートしてくれるアイテムになればいい」と語った。
広島県江田島市はAIがカキ養殖に最適な海域を予測するシステムを東大やシャープなどと共同開発中だ。瀬戸内海に縦横約20メートルの「最先端養殖いかだ」が浮かぶ。ブイには水温や塩分濃度などを測るセンサーが設置されている。
後継者育成を後押し
カキは年に1度、赤ちゃんである幼生が漂う海域に養殖いかだを移動し「種付け」を行う。しかし場所や時期は毎年異なるため失敗することもある。損失は数百万円になるという。
そこで幼生が漂う海域が白く濁る特徴に注目した。ドローンで上空から白い海域を見つけ、収集したデータをAIが分析して最も種付けに適した場所や時期を予測。養殖業者のスマートフォンにリアルタイムで送信する。内能美漁協職員の下家義弘さん(32)は「陸にいながら様子が分かるのは便利だ」と話した。
農林水産省によると、18年の漁業就業者数は河川などの内水面漁業を除き15万2082人まで減少し、1963年以降で最少となった。農水省も水産業の課題解決に向け、漁業や養殖のノウハウを蓄積し、後継者育成につなげる取り組みを後押ししている。
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May 11, 2020 at 03:50AM
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